ブリーディングノート

ブリーディングノート

小型シクリッド

 現在、ペルヴィカのペアが繁殖しています。親は、自家繁殖(F2)個体になります。水槽は、600 x300 x230です。ここは元、汽水魚(モノダク、ユゴイ)を混泳させており、ほかでトラブルになった魚も一緒に収容して、いわゆる雑居状態でした。モノダクがいなくなり、ユゴイのみになってからは、塩分の添加はしていません。ちなみにこの日の水質は、GH 12°dH KH 3°dH ph 6.8でした。硝酸塩濃度がやや高まっているのですが、現在稚魚が泳ぎ始めていて、水替えをしようかどうか迷うところです。

 もともとペルヴィカのF2個体は、10匹以上ここに収容していて、テリトリー争いで減ってしまい、2ペア残りましたが、強いユゴイがいたために繁殖はしませんでしたが、さらに減って1ペアになったのと、今般事情(詳しくは、オレンジクロマイドの項参照ください)でユゴイを他所へどかしたので、残ったペアが、繁殖を始めたようです。プライバシーが確保されれば、混泳水槽でも繁殖は可能です。が、子育て中のシクリッドは、それまでにも増して大変気が荒いので、犠牲者が出ないように、ペア(とくにオス)の動静に細心の注意が必要です。(今ならユゴイさえ敵ではなさそう・・・・・・)
 繁殖中、オスの役割は、おもに他魚を追い払ったり見張りなどセキュリティー担当で、稚魚の世話はもっぱらメスが行いますが、口に稚魚を含んで安全な場所に移動させ、成長とともに、転々と拠点を替えます。同居魚のいない限りどこも安全なはずなのですが、稚魚がしっかり泳げるようになるまで頻繁にこれを行います。多少泳げるようになると、散り散りになって動き出すのでいよいよ親は大変です。オス親も、目を離すとすぐ散らばってしまう稚魚たちを口に含んで、せっせと元の場所に連れ戻すさまは、魚ながら子育ての大変さと愛情を感じさせられます。
 ところがこの時、3回に1回くらい吐き出さないことがあるのです。見張りの仕事がないと、ひまに任せて出したり入れたりしているうちに、あろうことか、稚魚を食べてしまうオスも少なからずいるので、こんな時は、オスを出してしまって、メスだけで子育てさせます。産卵やふ化直後は、メスのほうがナーバスになっていて、卵を食べてしまうことはよくあるのですが、稚魚が孵った後は、母性が働くのか稚魚を食べることは滅多にありません。ただいわゆるワンオペの育児は、同居魚のいる場合は難しく、セキュリティが手薄なので、稚魚がほかの魚に食べられてしまうことが多く、結局成功はオスにかかっていると言えるでしょう。尚、何か故障があって一度失敗しても、1か月後くらいに再び繁殖に入ることが多いです。

タイトルとURLをコピーしました