現在飼育中の爬虫類の中で、とくに魅力的な3種を紹介。
ニホントカゲ
とくに私たちになじみの深いトカゲと言ったら、ニホンカナヘビか本種ではないでしょうか。ただ地域によって偏りがあり、見られるのはカナヘビばかりという地域では、それをトカゲと呼んでいる場合も多々あるようです。好む環境としては、カナヘビよりも自然度の高い場所に多く住んでいます。なのでもっともよく見かける場所は、登山道です。里に近い低山はもちろん、比較的高い山でも、林道の日の当たる法面などで活動しているのをよく見かけます。時間帯としては、お昼前後がいいでしょう。曇っていると、あまり見かけませんが、午後になって陽が差してきたりすると、のっそり日向に現れます。もっともこれは秋口までで、気温低下とともに活動を停止するので、高地ほど早く姿が見られなくなります。逆に、盛夏は林内の木漏れ日に肢体をきらめかせて、人が近づくと素早く姿を消してしまいます。
飼育してみたら
この種の魅力は、なんといっても、幼体の時の体色でしょう。コバルトブルーのしっぽと黒と金の縞々のボディーのコントラストは、トカゲ界屈指の美しさです。これはニホントカゲを含むスジオトカゲ属のトカゲに見られる特徴的なカラーリングですが、いわばベビー服のようなもので、生後1年を過ぎると、発育のいい個体から順次その色は失われていきます。ただ南西諸島の亜種では、雌において性成熟後も多少なりとも尾に青みが残る種もいるようです。
成熟後の体色はカナヘビに似ていますが、カナヘビにはないメタリックな光沢があり、四肢がカナヘビより短くがっちりしていて、顔つきも、カナヘビと比べて吻が短いので、どこかフェレットを彷彿とさせますね。
性質も、カナヘビが立体行動を得意とするのに対し、トカゲは、平面での活動が主です。その気になれば垂直な樹にも攀れます。ただ登ることより、土に潜ることを好む点が、カナヘビと決定的に違います。性格も、カナヘビが陽なら、トカゲは陰といえます。
以上のことから、飼育には、高さよりも底面積のあるケースを選びます。市販のいわゆるフラットタイプのプラケースで問題ありません。床材も潜るのに十分な厚みが必要ですが、通常は、5センチ程度で構いません。ただし冬眠の際は、深めのケースに、たっぷり20センチくらいは、マットを詰めてやるようにします。