vol.1 食べ物について
ここでは、カナヘビを飼育する場合のエサについて解説します。
生き餌
おもに自分で採集する場合と、お店で購入する場合、あるいはそれらを自家繁殖させて与える場合が考えられます。前者の場合、田畑や家の周りで得られる小昆虫やクモが良いエサになります。特にクモは、体が柔らかくカナヘビが好むエサの一つです。カナヘビの口に対して極端に大きくなければ、みつけたらあげてみてもよいでしょう。
購入する場合、コオロギやレッドローチなどの3、4齢のものが候補になります。店舗によって取り扱うサイズ表記が違うので、現物をよく見て選ぶべきですが、一般的にはMサイズ以下になると思います。大きめよりむしろ、小型のものを与えたほうが食いつきがいいです。なお、フタホシコオロギは、イエコオロギより大型でタフなのですが、小さめを選んで与えても、イエコより食いつきは劣る気がします。
コオロギの管理は、けっこう難しく、コツがいります。環境が適切でないとストックできませんし、逆に適切な環境では、あっという間に成虫になってしまい、小型種のエサには適さないサイズになって持て余してしまいます。これを種親にして、累代飼育をする手もあります。産卵させてふ化させれば、赤ちゃんカナヘビの初期飼料としては最適です。ただし、卵のふ化には34週間かかります。種親の数や産卵床の規模にもよりますが、ふ化が始まると、おびただしい数の幼虫が出てきますが、一両日で出きってしまうので、安定的に供給するには、大掛かりにならざるを得ません。
このような理由で、わたしは日頃レッドローチをメインにくれています。ローチは、すなわちcockroachのローチなので、ゴキブリだけにとてもタフで管理が楽です。たいてい、フードと一緒にカップ入りで売られていますが、カップのままでも一応ストックはできます。同じように売られているコオロギだと、カップのままの管理はまずできません。生存率を高めるため、すみやかに広いケースに移す必要があります。また、冬季であれば保温の必要があります。レッドローチも外国産種なので、保温はしたほうがよく、この点カップはそれほど場所をとらないので、保温しているスぺースのどこかに収容しておけます。ただし、通気性のないカップのまま暖かいところに置くと、中のエサがカビやすいです。そこでわたしは、ひと工夫しています。
これら餌昆虫は、どれもカルシウムを補って与えることがいまや常識になっています。理由は、これら餌昆虫にはカルシウムが少なく、リンが多いため、栄養的に好ましくないだからだとされています。カルシウムの多いエサとしては、ミズアブの幼虫などがあります。BUG PREMIUMなどの商品がそれで、生餌ではありませんが、食べるようなら、あげてみてもよいでしょう。
カルシウムは、サプリメントが各社から出ていますが、ゆで卵の殻を陰干ししておき、乾燥したら、砕いて乳鉢で微粉末にしたものでも十分です。逆に、市販のものでも、哺乳類用は適していません。これらはリン酸カルシウムをカルシウム源に採用していることが多いからです。
カルシウムをエサに加える場合、ダスティング(一般的にはパウダーなので)と言いますが、毎回ダスティングしたほうがいいのか、何回かに1回でいいのか、議論はありますが、わたしは個人的には、昆虫を与えるときは、なるべくするようにしています。経験から言うと、3回に1回くらいでも問題はありませんでした。また、毎回ダスティングしたとしても、それで何か害があるということはないようです。
その他
昆虫以外のエサとしては、りんごをやっています。とうもろこしも好みます。これは茹でたものですが、人が食べるのと違って塩は加えません。これらは我が家のカナヘビの好物と言え、このほかにも摂らせたいものは、一緒に刻んで与えています。尚トカゲもなれるとよく食べますが、カナヘビよりも太りやすい傾向があり、副食として週1回かそれ以下にとどめたほうが良いようです。