境界線の魚

 みなさん、ショップで境界線上の魚を見つけたら、どうしますか? 自分は、買うことにしています。結論から言うと、そのほうが悔いがないし、経済的であったりするケースがよくあります。

境界線上の魚とは

 なにか目当ての魚がいて、ペットショップに行ったとき、運よくそれがいたら、たいてい買いますよね? もちろん、ものの状態や価格で躊躇した経験は、わたしも一再ならずあります。それとは別に、何の気なしにみて妙に印象をとどめる魚もいます。はじめ欲しくはなかったけれど、いつしかだんだん欲しくなってくる、という経験も誰しもあるのではないでしょうか。これを境界線上の魚ということにします。その場で買ったら、それこそ衝動買いなんですが。でもその時は幸い(?)そこまで思わないのですね。ところが紆余曲折して結局買っちゃうんです。だったら初日に買ったほうが一番いいのかもしれないのですが、けっして衝動買いを推奨するわけではありませんので、そこは誤解無きよう(*/ω\*)。

 最近は、近所に魚に強いショップも減ったので、片道1時間ぐらいのお店によく行きます。エサも近所で買うよりは安いです。よく行くと言っても、基本ふた月に一度冷凍えさを買いに行けば十分なのですが、行ったときは、エサのほかにも一匹二匹くらい買い物していました。そのとき目にとまって、何度か通って顔合わせた挙句、結局今うちにいる魚たちをシリーズで紹介したいと思います。

その1 ゴールデン・チンカ 

 チンカ・チンカ(Tinca tinca)は、一名テンチとも言い、ヨーロッパ原産のコイ科の淡水魚です。あまり聞きなれないへんな名前ですね。わたしは、川魚が好きなので、結構昔から知っていました。さいたま水族館で展示していたはずです。ちなみに今はいないとのことでした。
 わたしが記憶していた名前は、テンチのほうで、見た目も地味なこれと言って特徴のない魚だったのですが、さっきショップの水槽にいた、ゴールデンなんとかとは、きっとテンチのことではないか、と帰りの車中でピンと来たのでした。元来わたしは、改良品種よりも、原種のほうが好みなので、もしそうであったとしても、買わないつもりでしたが、(よし、もういっぺん行って確かめてこよう)と思って、さほど間を置かずに来店しました。まだ売れていませんでした。価格も衝動買いするにはそこそこしましたので、この時も買いませんでした。その後も、なにかと理由を作っては、店に通いました。その魚は、自分を待っているかのように売れていなくて、自分のほうも、今回もまだ売れていないのをラッキーと思う反面、不思議と買う気も霧散して、冷凍赤虫だけ買ってむなしく帰るだけでしたが、だんだんナンセンスな気がしてきて、(次行ったときは買おう)と決心しました。そしてその日。やはり売れていなかったので、ついに買ってきたのです。買った当時の体長は、10センチメートルほど。今は、15センチくらいに育っています。後日談ですが、チンカを買ってからは、半年以上、ショップから足が遠のきました。自宅の冷凍庫には、行く度買っていた冷凍赤虫が、入りきらないほど溜まっていたからです。

飼ってみて

 無加温で飼育できます。日本のコイやフナとも、水槽内で仲良く共存できます。エサは何でもよく食べ、どちらかというと、動物質が好きで、水草などを食害することはありません。おもに低層を遊泳しますが、慣れてくると浮上して、エサも手から食べてくれるようになります。みなさんも、機会があったら、飼育してみてください。

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