境界線の魚

その2 ブルーゼブラパラダイス

 この魚も、熱帯魚屋で初めて見たときは、全く気にとめませんでした。インボイスネームで「サイアムブルーゼブラ」となっていたのを「サムライブルーゼブラ」と読み違えて、あとで検索しようにも全くヒットしなかったです(笑)。が、その頃から次第に興味がわいてきてました。 パラダイスフィッシュは、ベタに近縁な熱帯魚ですが、比較的低温に強く、一名を台湾金魚とも言い、沖縄では野生個体がいることが知られています。小さいころ飼った時も、室温で通年飼えた記憶があります。去年の秋に3年ぶりに養殖魚祭が開催され、行ってみたら、パッキングされたノーマルのパラダイスフィッシュが出品されており、一つ買ってきました。もともとこの手の魚も好きで、近縁種のチョウセンブナは繁殖させたこともあるのですが、パラダイスはまだその経験がなく、この機にチャレンジしてみたくなりました。実に20年ぶりくらいに飼うので、懐かしい気もします。パラダイスを飼い始めると、その変種にも自然と目が向きはじめ、そんな中で見つけたのが、この魚です。はじめ(改良品種かな)と思いました。パラダイスフィッシュは、ベタほど品種改良は進んでいないようで、アルビノ種以外はめったに見ることはありませんね。個人的には、改良品種よりも原種のほうが好みなのですが、原種よりもシックに見えます。そこも気に入りました。
 ところで、先に買ってきたパラダイスは一袋3匹入りだったのですが、確実にオスが2匹いるので、喧嘩が絶えません。なので大きい2匹を分けて飼い、残る1匹がメスであることを期待しつつ、育成してきましたが、日が経つにつれどうもこれも(ん?! オスっぽい??)となってきましたので、早々に繁殖はあきらめて、観賞用と割り切って飼うことにしたので、(それなら、あれも買っちゃうか!)という具合です。ちなみに、ブルーパラダイスの購入時に店員に聞いても、「改良品種なのかどうなのかわからない」「この名前で入ってきた」ということだけでした。どうやら、調べたところ改良品種で間違いないようです。

飼ってみて 

 買ってきて、はじめ小さいノーマルパラダイスのいる水槽に入れることにしました。そこにはヒーターが入っています。大きいノーマル2匹は独居房(無加温)です。今回買ったのが改良品種だから弱いということはなさそうですが、もとになった種が、形態的にもMacropodus opercularis(ノーマル種、台湾金魚)とは違う可能性があり(サイアムというからにはタイ産?)、一応ヒーターありの水槽に放ちました。この2匹の体格差はほとんどないのですが、性質はそこそこ荒いです。放ってしばらく先住のノーマルに追われていましたが、ノーマルをいったん引き離して、ブルーが落ち着いたころ合い(数日)でノーマルを戻したところ、すぐまた取っ組み合いのけんかが始まり、今度はブルーが優位に立ちました。そして形勢が決まった後も、いつまでもノーマルを追い詰めるので、苦肉の策で、独居房にいた大きいオス2匹を入れてみました。この場合、1匹だけ戻すと確実にブルーがやられそうなので、バランスをとるためにもう1匹も入れたのですが、目論見通り、この2匹が始終張り合うことで、ブルーの横暴は鳴りを潜めて、今のところうまくいっています。でも最近、にわかに温水に移されたオスが発情して、泡巣をつくり始めたので、この先どうなることやら、・・・・・・それも混泳の楽しみですね。
 導入当初のけんかの様子は、こちら。

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