サンショウウオ
わたしが、はじめて飼育したサンショウウオは、日本のクロサンショウウオです。それまでのわたしは、爬虫類同様にカエルやサンショウウオといった両生類には、強い関心はありませんでした。きっかけは、わたしが鳥のサプリや当時飼っていた猫のごはんを買いに行くペットショップに売られている幼生を見たからです。このショップはいわゆる総合ペットショップで、56年前に近所に出店したので、今も時々利用していますが、普段特に変わったものなど見かけない中で、それは異彩を放っていて、珍しもの好きなわたしの目にとまりました。が、このときは(へぇー、珍しいものを売っているな)くらいで買おうとは思いませんでしたが、こころのどこかに(買う?)という問いが生まれていました。買う=飼うなので、にわかにサンショウウオのことを調べ始めていましたね。
それと、当時家のベランダに、どういうわけか夏になると、決まってヤスデが大量発生して悩んでいました。ヤスデは、人畜無害で見ようによってはかわいいものですが、油断すると家の中にも入ってくるので、見つけ次第飼っている魚にやったりしていました。いろいろ飼ってるのに、何とか食べてくれるのは、カワムツだけというありさまで、・・・・・・(泣)。
さて、サンショウウオがヤスデを捕食するかどうか、どの文献にも書いていませんでしたが、自分で確かめてみればいい、とりあえず売り切れないうちに、買っておこうと思って、後日また店に行ったのでした。わたしが先日見たとき、たしかウーパールーパーのミニチュアのような幼生が、三匹いたはずでした。この日いってみたところ、やっぱり三匹いましたので、一番大きいやつを選んで買っちいました。それが、今やベビーたちの父親です。
飼ってみて
お店では冷凍赤虫をやっていた、それをこの子が独占してい、他の二匹は満足にエサをとれていない、との店員さんの事前情報でした。せっかくうちに来たのだから、冷凍赤虫よりもっといいものを食べさせてやろうと思い立ち、折から田んぼに発生しているホウネンエビをすくってきては与え、上陸前に十分に栄養をつけさせることにしました。それを下馬評通り底なしに食べました。が、一転上陸後は、しばらく絶食というか、幼生期より一回り小さくなる印象で、与えるものにも悩みました。上陸後は、それこそ動くものしか食べないので、大小のワラジムシなどをまいて自由に捕食させることとし、それから先は、小さめのミミズなどを与えて、今では、ゆで卵の白身を細く切ったものや、人工飼料などもピンセットから食べてくれます。ただし、これは冬季の話で、気温が高くなると、徐々に食べなくなり、真夏は好物のミミズもめったに受け付けませんが、秋になると再び食べだします。で、例のヤスデなのですが、いまだくれていないのでわかりません。知りたかった方ごめんなさい。おそらく食べないのでは? という気がしますし、幸い今は、ベランダに大量発生しなくなり、しいて与える必要性もなくなったのでした。(水槽下の腐った枕木が発生源とわかったので、撤去したら、ほぼ見なくなりました。)
二匹目は、この翌年、再びおなじショップにて購入しました。それはすでに上陸した個体で、がりがりに瘦せており、このままでは危ないと思いましたので、買ったのです。売れ残りというか、生き残りといったほうが実態に合っているようでしたが、先の個体と同じように管理をし、ミミズが食べられるようになると、目に見えて体格が良くなり、飼育開始して、四年目の今年の春に、初めて卵を産んだのです。これがベビーたちの母親です。買った二匹がそれぞれ雄と雌だったのは、願ってもない幸運でしたね。