vol.2 冬眠について
爬虫類で温帯に生息する種は、冬眠します。なので、自然な状態で飼育するために、特別な事情がない限り、冬眠させています。
うちでは、ニホントカゲとニシミドリカナヘビが現在冬眠中です。ミドリカナヘビは、アオカナヘビと間違えやすい名前ですが、似て非なるもので、体格のずっと大きな凶暴な外国産のトカゲです。こういうものは、なるべく寝かしておいたほうがいいでしょう(笑)。ちなみに、アオカナヘビは冬眠しないので、通年世話をしています。2月になって、食欲が上がってきました。温度というよりも日長の変化を感じ取っているんだと思います。交尾も確認しました。
冬眠
さて、話を戻しましょう。今回はニホントカゲの冬眠について。彼らの冬眠に入るのは早いです。10月の半ばを過ぎると、まだまだ気温は高いのですが、エサ食いが落ちます。野生の個体もエサ探しより、日光浴に没頭していることが多くなりますが、飼っている場合は、熱中症にはまだまだ注意が必要。エサを食べないようなら、無理にくれずに、冬眠に向けて12週間の餌切りを行います。飲み水だけは、入れておきます。最後に食べたものが消化され、排泄を確認したら冬眠用のケースに移します。この排泄の確認は、さほど厳密なものではありませんが、ここまでの栄養状態が悪かったり、健康でないものは、強いて冬眠させないほうが無難でしょう。事前に体重をチェックしておきます。
冬眠用ケースは、床材を20センチ程度入れるので、深めのものが適しています。プラケースの特大か、蓋つきの衣装ケースのようなものでもよく、その場合は蓋にドリルなどで穴を開けて使います。
床材は、土や昆虫マットの単用またはそれらの混合です。わたしは、猫草用のマットを使っています。適度に湿らせて用いますが、びちゃびちゃになるほどでは湿らせすぎです。水分がなじんだら、上には落ち葉などをかぶせ、ここにトカゲを放ちます。普段分けているオスたちも、一緒に収容しています。
移されたトカゲたちは、すぐに潜っていくことが多いのですが、居が定まるまで数日は、地表に戻って徘徊したりしています。ですから、飲み水だけは入れておきましょう。これは、冬眠中も残しておいてよいかと思います。確実に冬眠に入れば、地表に上がってくることはないですが、入りたての頃は、地表を徘徊した形跡が、しばしば見受けられるからです。尚、冬眠用ケースは、温度が低く(10度前後)て、暗く静かなところに移しましょう。うちでは、1階の北向きの納戸に置いています。
冬眠中
冬眠中にする世話は、特にありません。安眠を妨げないよう、時々様子を見に行くくらい。ケースをそっと持ち上げて下から覗くと、底付近で思い思いに寝ているのが確認できます。途中、あまりに乾いた場合は、上から霧吹きやじょうろで軽く加水します。
冬眠開け
3月に入って、最高気温が20度を超えるようになると、寒い部屋でも、15度を超えてきます。すると彼らも目覚め始めます。容器を持ち上げてみると、底付近から、中層、上層へと上がって来ていることが確認できます。オスのほうが一足早く目覚め、メスはひと月くらい遅れて目覚める傾向があるので、オスとメスとは分けて管理する方が望ましいです。それぞれ目覚め始めたら、普段の飼育環境に移す準備をし、整い次第、そちらに移します。完全に目覚めてから移してもよし、掘り起こしてもよし、ここまでくれば大差ないです。掘り出すと、どの個体も目に見えて痩せているはずです。脱水と体力の回復に努めます。軽くシャワーなどすると、水滴をなめるので、そうしてやるとよいでしょう。はじめのごはんは、なるべく消化の良いものを与えますが、食べないことも多いです。でも気温の上昇するにつれて徐々に食べ出すので、心配いりません。また、春は気温の変動が大きいので、なるべく暖かいところで管理します。尚、ニホントカゲは成体になると、目覚めた直後からけんかをするので、特にオスは個々に分けて飼います。
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